日曜日の午後、コロナ禍 “自粛生活” 後、初めてのアンサンブルを自宅でホストした.一年以上の “自粛生活” を経験し、待ちに待ったVirtual ではない顔を合わせてのアンサンブル.既に皆(彼らの家族も含め)Pfizerワクチンの予防接種を2回受け、安全と言えば安全の音楽仲間.編集者(引退した日本人のヴァイオリニスト)を除き、今回のトリオ(ドイツ人のチェリスト、イタリア人のフルーティスト)のメンバーはそれぞれの自宅での就業が一年以上続き、今回が初めての ”待望“ の外出とか.ふたりともマスクをかけてお出まし.
インターネット上で一年間弾いてやや疲れが出てきた今日この頃、耳だけを頼りのVirtualの演奏より、ボディー・ラングエッジ、呼吸のわかる、面と向かっての演奏は全く違う楽しみ、醍醐味がある.今、バッハの Musical Offering (音楽の捧げもの、BWV1079)を弾いている.来週から、ピアノ・トリオを再開.やっと限られた環境での ”通常の” 生活に戻り始めている.
音楽の捧げもの (Das Musikalische Opfer)
バッハの Musical Offering (音楽の捧げもの、Musikalisches Opfer または Das Musikalische Opfer)BWV 1079は、ヨハン・セバスチャン・バッハによるキーボードのカノンとフーガ、その他のコンビ―ネーションによる音楽のコレクション.
上記、YouTubeのビデオに要約されているように(フィクションなので詳細に関する真偽性にはやや疑問があるといわれているが、大体の筋書きはあっているようだ)1747年5月7日、バッハはポツダムにあるフリードリヒ2世の宮殿に招待された.
即興のスキルでよく知られているバッハに、フリードリヒは、上記のテーマをバッハに与え、フーガを即興するように求める.3声のフーガを即興で演奏したバッハに、次にフリードリヒは同じテーマで6声のフーガを即興で演奏するようバッハに挑戦した.バッハは「これだけ複雑なテーマの6声フーガの作曲には少し時間がかかる」と答え、ライプツィヒに戻ってから、Thema Regium「王のテーマ」を二か月で完成したといわれている.それがこのBWV 1079で、よく演奏される、フルート、ヴァイオリン、チェロ、ハープシコードによるトリオ・ソナタはその中の一部.
フリードリヒ2世 (プロイセン国王)
バッハの次男(カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ)が1740年から1767年までフリードリヒ2世にチェンバロ奏者として仕えていた間に、父をフリードリヒ2世に紹介したのが、この「音楽の捧げもの」の発生と伝えられている. 1747年フリードリヒは35歳、バッハは62歳であった (Wikipedia).
追記:米国でのワクチン接種は着々と進んでいる中、インドの変異種が米国にも上陸し、現在インドからの渡航者は米国へ入国できない.変異種にも効果がある Booster Shot (追加注射) が秋にはできると聞いているが、そろそろ米国ではワクチン接種普及に伴い herd immunity(集団免疫)ができる可能性もあると話されている.まだまだ先がわからない現時点ではあるが、やっと少し通常に戻ってきた当地である.大変に長い一年であった.
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