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執筆者の写真Kathy Price

7/19/2021 フィルム・レビュー「Anthony Bourdainドキュメンタリー」 

Roadrunner:「Anthony Bourdainドキュメンタリー」

定格:R

実行時間:1時間59分

監督:モーガン・ネヴィル


もしアンソニー・ボーデインの旅行映画を見たことがなかったら、彼の人生を描いたこのドキュメンタリーは恐らくあまり意味がないかもしれないけれど、あなたがこのユニークな男のファンだったとしたらなら、彼の親しい友人や仲間だけが知っている彼を語っているこのドキュメンタリーはきっと面白いと思う.


アンソニー・ボーデインは、シェフ、旅行者、そして才能のある作家であった.何年もの間、私は彼の旅行ドキュメンタリーのファンであった.彼の旅行の基本ルールはレイ・オーバー(乗り継ぎ)と予約なし.各エピソードでは、ボーデインが出会った人々、訪問場所、地域の食べ物について彼の視点を紹介していた.彼の好奇心は伝染性のようで、視聴者として私は彼のエピソードの一つ一つを見るたびに心が豊かになったのを感じた.彼はきれいな写真を撮るために旅行しているのではなく、自分のすべての体験について真実を語り視聴者とそれを共有するというスタイルであった.時には、物語は生々しく、政情不安と貧困に満ちた世界の危険な場所を訪れたこともあった.また、豪華な食べ物を食べる興味深い人々でいっぱいの絶妙な場所を紹介することもあった.ボーデインはどんな話題について誰とでも話すことができた.例えば、彼は自分自身がコンゴの村人であるかのように気軽にコンゴの国家元首をインタビューした.このドキュメンタリーでは、彼に会ったすべての人が彼を身近に感じたことを語っている.


ボーデインが2018年に自殺した当時は、私は大変なショックを受け、悲しかった.彼は人生で得られるすべてを持っているように見えた人だった.彼は世界のどこにでも旅行し、会いたい人に会い、やりたいことを何でもした.私は彼が若い頃にコケイン、ヘロイン、LSDに夢中になっていたことは知っていたが、彼は何年もの間この中毒に打ち勝ち、死んだときは全くクリーンであった.「なぜ? なぜ彼は自殺したのだろうか?」


この繊細なドキュメンタリーが示しているのは、ボーデインが生涯にわたって苦しんでいた「うつ病」との闘いである.彼の親しい友人や家族の多くが、外部のほとんどの人が知らなかった、彼の人物についての洞察をインタビューを通して語っている.しかし、すべてのインタビューの中で最大のものは、アンソニー・ボーデイン自身からのものであった.このドキュメンタリー監督のモーガン・ネヴィルは、何百時間もの映画を編集して、悲しく、華麗で、面白くまた難しく、そして暖かいボーデインの人間性を抽出し記録する見事な仕事を果たした.このフィルムは何も隠さず、彼の死も彼の人生の一部として語っている.恐らく、アンソニー・ボーデイン自身、きっとこの正直な描写を視聴者の私たちと共有し承認すると思う.


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