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「」に対する検索結果が99件見つかりました

  • Copy of 8/15/2023 フィルム・レビュー「バーベンハイマー」

    2023年は『バーベンハイマーの夏』という人もいるかもしれない.まだご存じでない方のために、このブロッグに下記2本の映画が世界的なセンセーションを引き起こした現象に対する私の見解を投稿した. 7月に『バービー』と『オッペンハイマー』いう2本の高額予算を獲得して制作された映画が同時に劇場公開された.どちらも大ヒットしており、どちらもとても良い映画だと思う.まったく異なる2本の映画を観ようと米国全土でファンが劇場に詰めかけている.どちらもハリウッドが提供できる最高のタレントを駆使し、どちらも観客を感動させているが、その理由は全く異なる. バービー PG-13指定 出演: マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、ケイト・マッキノン、シム・リウ ジャンル: コメディ、ファンタジー、アドベンチャー 監督: グレタ・ガーウィグ 脚本:グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック グレタ・ガーウィグが実生活のパートナー、ノア・バームバックと共にこの映画の脚本を書いたときは、恐らく二人とも、アイコン人形を描いたこの映画がここまでの成功をもたらすとは想像できなかったと思う. 有名で賞賛されている作家だったため、彼らはこの映画に約1億4,500万ドルという高額の予算を獲得することができた. また信じられないことに、劇場公開からわずか 1 か月後、この映画はすでに 10 億 7,700 万ドルの興行収入を記録した. なぜ? そして、どうやって? 優れたキャストと十分な予算を備えたこの映画は、公開前に多くの誇大宣伝を引き起こした.確かにこれは初期の成功の一部によるものだと思が、それ以上の何かがこの映画にはあると思う.現在、我々は非常に深刻な世界に生きている.よって、今、人々はただ笑いが必要なのかもしれない.また、子供の頃を思いだすノスタルジックな、愛されている人形のようなものは確かに人の心をつかむ方法なのではないか.少なくとも映画の最初は、バービーはまさにそのノスタルジックな対象である.映画が進むにつれて、女性(そして男性)が過去と今日に直面してきた問題も思い出させせる.この映画は風刺と人間性の完璧なバランスが取れていると思う.バービーがバービーの世界から私たちが今住んでいるまさに現実の世界へ旅立つにつれて、たくさんの笑いがあり、また考えさせられる点もたくさん提供する映画だと思う. 予告編: https://www.youtube.com/watch?v=pBk4NYhWNMM オッペンハイマー 「プロメテウスは神々から火を盗み、人間に与えた.そのために彼は岩に鎖でつながれ、永遠の拷問を受けた.」 R指定 出演: キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー ジャンル: ドラマ, 伝記, 歴史 監督: クリストファー・ノーラン 脚本:クリストファー・ノーラン、カイ・バード、マーティン・シャーウィン この映画はこの不気味なギリシャ神話からの引用で始まり、映画中オッペンハイマーの劇的な生涯を暗示している. この映画は、クリストファー・ノーランと映画の脚本を共同執筆したカイ・バードとマーティン・J・シャーウィンが書いた本『アメリカン・プロメテウス:J・ロバート・オッペンハイマーの勝利と悲劇』を基にしている. この映画は、オッペンハイマーが成人してからの人生に焦点を当てており、その中にはニューメキシコ州ロスアラモス近くに建設された秘密兵器研究所の所長を務めたマンハッタン計画での役割も含まれている.そこで、何万人もの人々を即死させ、太平洋戦争を終結させた兵器の核反応をどのように利用するかを、オッペンハイマーを中心に他の多くの世界中から集められた時代の最も輝かしい科学者達が頭を悩ましていた. この映画を観て驚いたのは、自分が「原爆の父」のことをこんなにも深く考えてしまったことだ. 正直に言うと、この映画を見るまで、私はオッペンハイマーという人物についてほとんど知らなかった. 私は彼が核兵器創造に貢献した恐怖だけを知っていた.この映画で非常に巧みに描写された彼の人生に対する個人的および外部からのプレッシャーを見て、今では私は彼について全く異なる理解を持っている. 『オッペンハイマー』は 3 時間という長い映画なので、そこで取り上げられたさまざまなトピックについて詳しく説明するのは困難であるが、私にとっては完璧な映画であった. オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーは特別な評価に値すると思う. 彼はタイトルロールで素晴らしく、オッペンハイマーに似ているだけでなく、その役を演じるのに必要な強さと人間性も備えている. 素晴らしいキャスト、リアルなセットや衣装、効果的なサウンドなど、映画全体がこれ以上ないほど素晴らしい出来であると思う.クリストファー・ノーランがほとんどの映画監督と異なる点の 1 つは、彼が特殊効果に依存していないことで、彼はカメラを通して彼の望むものを手に入れる. 彼の熟練した技術は各フレームに明らかであった. バービーとオッペンハイマーの目覚ましい成功と、その主題がどれほど異なっているかを考えるとき、私は彼らを同一としているものの重要性に衝撃を受ける.我々は私たちの過去を思い出す必要があるということだ. 人生のすべてのことと同様、良いことも悪いことも覚えておくことが私たち人間を人間たらしめるのだと思う. 予告編: https://www.youtube.com/watch?v=uYPbbksJxIg

  • 4/2/2023 日本の春(彦根城の桜)

    日本に居られるのに、掲題のメールを送るのも変ですが、前信の「京都・円山公園の枝垂れ桜」と対になっている気がするのでお送りしておきます. 桜の季節の彦根城を観ようと思っていたことを漸く実行に移すことが出来ました.昨日の日曜日は好天にも恵まれ、片道2時間の列車に揺られて出掛けてきました. 彦根城は外観の美しさと城本来の機能である軍事面にも優れていることで、姫路・松本・犬山・松江と並んで国宝に指定されています.桜とも似合う美しい風景があちこちに観られました.

  • 3/30/2023 京都・円山公園の≪枝垂れ桜≫

    京都・円山公園の≪枝垂れ桜≫を観てきました. 現在の大木は二代目で、初代は昭和22年(1947)に樹齢220年で枯死してしまいましたが、その初代の種子から大事に育てられた桜が、樹齢約80年を数える大木に成長しています. 満開の時に好天の下で観たいと思っていましたが、コロナ禍で叶わず、本日やっと念願かなって満喫してきました.

  • 3/28/2023 音楽家と作品への雑感 「ラフマニノフ」

    第10章 セルゲイ・ラフマニノフ Sergey Vasilyevich Rachmaninoff (1873年~1943年69歳没) 近代ロシアの偉大なピアニストで作曲家であり、オペラ指揮者としても帝政ロシア末期の第1人者であった.裕福な地主の家に生まれたが、浪費家の父親のために家は没落し、母方の家族と共にサンクト・ペテルブルグに暮らす.9歳(1882年)でペテルブルグ音楽院に入学、15歳(1888年)でモスクワ音楽院でピアノ及び作曲を学んだ.30歳代からドレスデン(ドイツ)で活躍する一方、時々、モスクワへ帰っていたが、1917年のソビエト革命で、スイスのルツェルン郊外に(今も孫が住む)別荘を買い、そこで静かに作曲できる時期があり、名曲「パガニーニの主題による狂詩曲」他を作曲.その後、アメリカに渡り(1942年)ビバリー・ヒルス(ハリウッド)を第2の故郷と定め、晩年はスターリンの再三の帰国呼びかけにも拘わらず、第2次世界大戦の勃発もあり、祖国の地を踏むことは無かった. モスクワ音楽院在学中から尊敬していたチャイコフスキーの影響を受け、ドイツのロマン派とロシア国民楽派の作風を折衷したような作品を多く作曲.傑作と言われる作品の大部分は亡命前の若い時期に書かれた物が多く、哀愁や祖国愛が表れた曲想が多く、生きた時代には珍しい大衆性のある保守的な作風で主にピアノの名曲を多数残した. ラフマニノフはピアノ演奏家としても名手であったが、両手を合わせるとピアノの白鍵22個分の大きな手であったことも伝えられている. 曲目の紹介 ※1 ピアノ協奏曲第1番 アシュケナージ(ピアノ、Pf)のピアノ協奏曲第1番(C-26)はテンポが速く緩急の切り替えしも多い、演奏家にとっては難曲だと思う. ※2 ピアノ協奏曲第2番 A. 同じくアシュケナージのピアノでコンドラシン指揮モスクワ・フィルハーモニーの演奏によるピアノ協奏曲第2番(R213)は前半は暗く重い空気間で重厚に,、後半は華麗に響くピアノの鍵盤音が大変印象深い. B. 辻井伸行のピアノ、佐渡裕指揮のベルリン交響楽団演奏(C-56)は適度なテンポと軽快な演奏で気張らずに、この名曲を楽しく聴くことが出来る. C. 他にも聴き直した数人のピアニストによる演奏はどれも良かったが、特にヴァルトビューネ野外コンサート (ベルリン) のキリル・ゲルシュタイン(Pf)とキリル・ペトレンコ指揮のベルリンフィルの演奏(CL2-Q)は、森に囲まれた野外の夏の夕暮れに相応しい演奏で大変に気に入った. D. もう一つ、河村尚子(Pf)のファビオ・ルイージ指揮のNHK交響楽団の演奏(CL23-X)も首席指揮者就任したばかりのルイージのプログラムだけに今後への期待も大いに持てた. ※3 ピアノ協奏曲第3番 A. ホロヴィッツ(Pf)のピアノ協奏曲第3番(C-27)は第1楽章で主旋律が気持ち良く表現されるところから、次第に葛藤のような強烈な旋律が現れ耽美に浸るだけの余裕がない. B. 仙台フィルとの共演の若干20歳の藤田真央(CL20-Q)は、この曲の11回目の演奏とのことだが、そのテクニックと共に圧倒される表現力である. C. デニス・マツーエフ(Pf)とリッカルド・シャイーイ指揮のルツェルン祝祭管弦楽団の演奏(CL4-J)も印象に残る名演. ※4 「パガニーニの主題による狂詩曲」 A. ヴァン・クライバーン演奏(R214)は、その豪快で華麗な演奏の中でも有名な第18変奏が例えようもなく美しく物悲しい情感を表現している. B. アシュケナージのピアノによる同じ曲(C-26)は更に難易度をあげたようなテンポの速い緩急自在な演奏で、鍵盤上で転がるような音符の散りばめが見事と思う.それにしても3分強の第18変奏曲の美しいメロディーがいきなり現れてくることで、この曲は人口に膾炙(かいしゃ)される名曲になったと思うのは、偽わざる難曲への感想である. ※5、ピアノソナタ第2番 ホロヴィッツ演奏(C27)で聴く限り、不安の中に安らぎがあると聴こえると激しく怒り狂うような鍵盤を叩きつけるフレーズが来るなど、ソナタの常識からは外れた曲想が支配し続ける. ラフマニノフは ※ヴィルトゥオーソ(伊 virtuoso)と呼ばれる. ※ヴィルトゥオーソ(伊 virtuoso)とは、本来は道徳的な意味を持ち、有徳な人というほどの意味であったが、19世紀の半ば頃からは、優れた技巧を持つ音楽家、特に演奏家を指すようになり、巨匠とか名人とかいう意味.パガニーニやリスト、指揮者ではフルトヴェングラー、バイオリニストではフーベルマン、ピアニストではコルトーやケンプなどが最後のヴィルトゥオーソと言われる. ※6 前奏曲集 作品23 及び 32 スヴァトラフ・リヒテルのピアノ演奏(R412)で聴いたが、協奏曲とは異なり大変聞き易い馴染みの良いメロディーが続く、何度でも聴いてみたい曲と感じた. 今回の雑感記録に際して、改めて聴き直した作曲家の作品リストを参考までに下記の表にした. VILLA SENAR: A MAGICAL PLACE SUPPORTED BY RACHMANINOFF FOUNDATION

  • 3/6/2023 本のレビュー、ベアテ・シロタ・ゴードン著、「1945年のクリスマス」日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝

    <あらすじ> ベアテ・ゴードン(旧姓シロタ)さんは、現在の日本国憲法の草案を書いた一人.当時、彼女は大学を卒業したばかりの22歳.オーストリア生まれのベアテさんは、音楽家の(ピアニストのレオ・シロタ)父親が日本で教えることになり、幼少時に戦前の日本へ移住.家には海外の有名な音楽家が集い、豊かな暮らしをするも、戦争が始まる直前に単身でアメリカへ留学.戦中はカリフォルニアのMills Collegeで過ごす.終戦4ヶ月後の1945年のクリスマス・イブに日本に戻り、長野へ疎開していた両親と再会する. ベアテさんが見た当時の東京は、皇居以外は焼け野原.日英両語ができる人が少ないため、GHQに知り合いがいた彼女は日本国憲法を新しく作るにあたって(GHQでの肩書は民生局員なのだが)約2ヶ月で日本が民主主義となる日本国憲法の草案を書く、という大役を任命される.高校卒業まで過ごした日本は、男女平等とは程遠く、女性は不平等を我慢するのが当然、という慣習や法律を変えることに注力する.日夜、法律専門のベテラン男性たちと肩を並べて仕事に励む. 僭越ながら、写真は私の父の本への書き込み.ノートは2冊にもなった. ここまではスムーズだが、ベテラン男性達は彼女の草案を読んで、ほとんどそれを削除してしまう.1945年のアメリカにも「完璧で本質的な平等」はなく、彼女の案はプログレッシブ(進歩的)過ぎた.ベアテは悔し涙にくれるが、疎開中は栄養不足だった両親にGHQで働いたお金や物を支給できるのは好都合だった.そして、いよいよ1946年に新しい憲法が発布される. <ブック・クラブでの感想> 新年会をしながら、話合いは2時間半にもおよび盛り上がったブック・クラブ.感想の抜粋は以下. 「意外と法案づくりのページは少なかったけれど、彼女の日本女性への想いは、その後のジャパン・ソサエティ等での活動に映し出されていますね.自分の法案を周囲の男性たちに説得できなかった後悔が何年も続いた部分など、人間として錯誤しながらも前向きに生きた彼女は立派です.批判もある様ですが、憲法づくりに女性を採用していなければ、どうなっていたかと怖くも思います.」 「敗戦直後に志の高い若い女性が男性の中に入って日本のために憲法を書いたなんてこと自体、全く知りませんでした.原題はそういうことなんだなと.」 「あまりにも興味深く2日間で読み終えてしまいました.ベアテさんはなんと「豊かな」人生を送られたのだろうと思いました(金銭的な意味ではなく).また、ロシア系ユダヤ人が、時代に翻弄された中で大きな犠牲を払いながらも強く生き抜いた人もいたのだなあと思いました. 日本国憲法に「男女平等」を書く、のところでGHQ案が最終的にはどのように日本国憲法となったのだろうと思い、他の理由で手に入れた添付資料と見比べながら読みました.「憲法カフェ」という憲法9条を守る会のセミナーに行ったときに教えていただいた資料です. 私はまだ勉強不足で改憲派でも護憲派でもありませんが、正直この自民党案を見たときなんでこんなに全部変えてしまうんだろうと思いました.アメリカ(および他先進国)の憲法は「徐々に」改訂をして変わって行きました. 恥ずかしながら今の日本国憲法が生まれた背景がこのようなことだったとは知りませんでした.この本は改憲派にも護憲派にも読んでほしい本だと思います.昔、憲法学者から聞いた言葉で「憲法は理想の理念なんで」という言葉がありますが、もしそれが目的だとしたら私達はこれからどのような理念を築いていくのだろう、と深く考えてしまいました.」 「国立女性教育会館で昨年シロタ・ベアテさんの展示会があったそうです.これを見ると、当時の感覚が少しでも伝わるのではないでしょうか.」 https://www.nwec.jp/event/archiv ecenter/Beate_online.html

  • 1/23/2023 布施明ライブ・ツアー「よみがえれ昔日の情熱」

    1月23日、調布市で開催された布施明ライブ・ツアーへ行く機会があった. ワイフが見つけてすぐ予約したのだが、テーマが「よみがえれ昔日の情熱」というものだったので、我々がよく耳にしていた曲が多いのかと期待していたが、もっと広いレパートリーで、小生が知っていたのは「シクラメンのかほり」と「霧の摩周湖」自身でそれと「マイウエイ」(日本語歌詞)くらいだった.エンデング・ナンバーはイタリア語で「Time to say goodbye」.たっぷりと、またある種の安心感をもって2時間を過ごすことが出来た. 自分としては持ち歌に限らずもう少し広い選曲(ジャズナンバーなども)を期待していたのだが、それは別として、圧倒的な声量はまさに驚きの一語.あと2年でデビュー後60年、後期高齢者になったというのはまさに驚きだった.最近、自分たちの世代の歌手が引退することが多く、そのお別れ的なショウやコンサートに出合うことがあるが、同年代であっても声量が落ちたなあ、と感じさせられたことも少なくないので、特に感じたのかもしれないが. 小生、うかつなことに彼が三鷹市出身、地元府中の中学校へ通ったという事を知らなかったが、ユーモアたっぷりなトークもなかなかで、学生時代までの地元の話も好感を持って楽しむことができた.しかし話が進むにつれて、彼自身が昨今の日本のありように不安を持ち、また我々の時代、つまり昔日の良き社会の復活を望んでいることが胸に響いた.英国人女性との結婚もあり、ニューヨーク(あるいはハリウッド)生活も長かった経験もあることだろうが、そういう思いがこのツアーのタイトルになっていたのだ、ということを改めて知った.まだまだ、引退には早い.好漢、幸あれと思う豊かな気持ちで帰途についた.

  • 1/12/2023 体力の衰えについて、1月4日編集者のブロッグへのコメント

    体力の衰えについて (1月4日編集者のブロッグ) 私がジムで言われたのは、一日一度は汗をかかなければCardioのエクササイズに欠いてしまい体力も筋力も衰えると. 家の中でスクワットと膝をついて腕立て伏せを50回ずつ、そしてロシアン・ツイストを100回、これだけでも汗が出ますので、運動できない日は寝る前にこれをしています. 外を歩く時は早歩きでこれも汗がでるくらい、だそうです. ご参考まで.

  • 1/9/2023 最近の日本、1月4日編集者のブロッグへのコメント

    3年間のブランク後の日本の印象は大変参考になります (1月4日編集者のブロッグ). 略、私も同じような感覚で毎日を生活しています.物価高、少子化、技術開発力及び生産力の沈下が進むこの日本をどのように再興するか.道筋を全く示せずに政治はその日暮らしで進んでいる感じがします. 食料自給率の低下と本質的な低さ、エネルギーの外部依存、自然災害の多さと災害規模の順次拡大、どれをとっても根本的に30年~50年単位で、それこそ骨太の方針を立てて掛からないと解決できない問題ばかりです. インフレは何が主な原因かを政治家は考えていない可能性が高いです.今回の日本のインフレはロシアのウクライナ侵攻より少し前から始まっており、その後に急速な円安が進んでいるので、分析すれば、略、因果関係は明示できると私は思っています.それなしに、賃上げをインフレ率以上に挙げよと政府が言っている事自体は極めて奇妙で無責任です.インフレが今後どうなるかを予測せずに賃上げを続けられる企業は極ごく一部の大企業だけの筈ですが・・・.

  • 1/9/2023 反田恭平の音楽観と行動力

    最近の音楽番組を垣間見ているとピニスト反田恭平(28歳)※(注)の活動の着眼点の良さ、活動範囲の広さに特別の興味を惹かれることが多い. 反田恭平氏は言わずもがな、一昨年(2021年)第18回ショパン・コンクールで第2位を獲得したショパン・ピアニストであり、それだけでも彼の演奏会は日本及び世界各地でびっしりと組まれている筈だと思う. しかし、最近テレビで目にする彼の活動範囲は、私の想像を超えて広く、深く、それらを何気なく自然体でやっているように見えるところに凄く惹かれる. 恒例のウイーンフィル・ニューイヤー・コンサートでは会場の ウィーン楽友協会大ホール(Wiener Musikverein)で、リハーサルから本番まで聴衆として聴く一方で、NHKのLIVE放送のコメンテーターとして会場と特別室を行き来していた.同氏は元々、音楽を指揮者の立場で考えることに興味があることを、色々な場で発言しているので納得できる.この放映ではウィーンの同氏の自宅がちょっと紹介された. ウィーン同様、同氏が奈良県に活動の場を広げているのは以前から知られていたが、先日の「題名のない音楽会」で彼の奈良での活動の一端が紹介され興味が沸いた.ホルンという楽器がヨーロッパ中世の貴族が鹿狩りに使う楽器だったことは知っていたが、同氏はホルンを奈良公園の鹿寄せに使うことを考えて実施してみたら、見事に鹿の群れが集まって来た情景が映されていた.更に、老舗の奈良ホテルには大正11年(1922年)にアインシュタインが弾いたピアノがあることは以前から知られているが、このピアノを使って同氏がショパンを演奏したことも番組で披露された. どちらも、目新しいことではないが、実際にこれまで誰も行動に移してこなかったことを、同氏は外連味なくさっさとやってしまう着眼点の良さと行動力に、私は特別の新鮮さを感じる. 奈良県はその歴史的価値の高さの割に、京都に比べて交通の便や道路の狭さ、宿泊施設の少なさ等で観光客数が京都より少ないことが言われている.しかし、同氏のような取り組みは奈良県の持つ本来の魅力を外部に発信するには大変に良い企画・発想であると私は思う. (1900 年頃製作されたニューヨーク・ハリントン社製アップライトピアノ) 直、同氏はJapan National Orchestra株式会社(以下、JNO)を設立している.工作機械大手のDMG森精機株式会社の出資により設立され、国内外で助成・支援活動を行っている一般財団法人森記念製造技術研究財団と、自らが代表を務める株式会社 NEXUSの出資により実現.代表は反田氏とDMG森精機 専務執行役員の川島昭彦氏が務め、反田氏とJNO所属のソリスト17名で構成される.JNOは、DMG森精機の創業地・奈良を本拠地に、持続的で発展的な音楽活動を行い、将来的にはアカデミーの創設も目指しているという. 現在の日本には将来を嘱望される若手音楽家が多く見られるが、その中でも反田恭平氏はその着眼点、活動範囲の広さ、実行力では驚くほどの動きをしているので、特に注目して行きたいと思っている. ※(注)反田恭平プロフィール:北海道札幌市生まれ東京育ち.桐朋学園大学からモスクワ音楽院に進み、第18回ショパン国際コンクール第2位.小林愛実(27歳、第18回ショパン国際コンクール第4位)と今年(2023年1月1日)に結婚している. 昨年(2022年)11月に私は小林愛実ピアノリサイタル(@いずみホール大阪)を聴きに行った.

  • 1/4/2023 第8波コロナ禍の中での帰国 ― 雑考

    丸3年ぶりの帰国.シリコンバレーにおける感謝祭、クリスマス休暇前後の雑踏、交通渋滞、殺気立った人の気配を避け、第8波コロナ禍の中、心配ではあったけれど思い切って帰国した.月一でヘルパーさんに通空通水はお願いしていてもやはり3年間住人のいないマンションに起こる予測できない水回りに関する事故の心配もあり、このタイミングでの帰国は結果的には正解だった.給湯器もこの折に新しいものに変えた.この品薄の時期に東京ガスのサービスには脱帽.また今回は日本アマゾンの宅配サービスも大変に重宝だった. Zoom等の便利なコミュニケーション・ツールは多々あれど、face-to-faceのコミュニケーションは段違いに効果的である.ましてやアンサンブルを弾くとなるとその効果は拡大.今回の帰国は母の13回忌が本来の目的ではあっても、アンサンブルの練習、友人、従妹、家族との観劇、歓談、会食と忙しくも楽しい6週間であった.但し、今回特に感じたことは3年間米国内にとどまり遠距離の旅行を控えていたこともあってか体力の落ちには驚愕した.コロナ禍以前は時差にしても、長旅の疲れにしてももっと早く調整ができたのに今回はいつまでたっても時差ボケ、旅の疲れが残っていた.3歳としをとったことにも起因しているとしても体力維持は2023年の課題だと思っている. 今回、大変に嬉しかったのはアンサンブルの仲間が増えたことである.(東京都)中央線近辺の住人からなるAPAのメンバーが主だが、新しくチェリスト(経験豊かで非常にお上手なプレーヤー)とフルーティストと練習する機会を持て、2023年4月の国際音楽祭において新しいプレーヤーとアンサンブルができることが今から楽しみだ. 米国においては2022年2月のコンサートで一緒に弾いたNormが腱鞘炎で続けることが無理となり非常に落胆していたところ、幸いにも米国のAPAのメンバーのピアニスト(若いピアニスト、Andrew)とこの1月半ばからメンデルスゾーンのピアノ・トリオ(OP49)の練習を始められることになった. 滞在中見聞した日本の現況は恐らく世界のそれと良く似たものだと思う.まず、防衛防衛費拡大増額、原発再稼働、物価高、不況、失業率の増加、貧困層の拡大、統一教会問題、等々の問題が山ずみの中で国民の政治・政治家不信は顕著である.少子老齢化、コロナ禍で顕著となった教育問題、なども全く方向性が決まらない中、ある意味で国民の怒りと諦め、或いは方向性が見えないための混乱もあるようで世相はあまりよくない.日本経済の見通しもつかない中、メディアではアンチ・エスタブリッシュメントとしてなんといった方向性も示さず単に屁理屈を述べる評論家が多いように見受けられた. 戦後78年が過ぎ、現在日本は政治、経済、社会、またそれに伴う基本的な価値観の変換の過渡期にいる.様々な問題を抱えている社会ではあるが(最近やや変わってきたとはいえ)日本は安全で、清潔で、食事が美味しく、知的レベルも高く、マナーの良い ”パラダイス” だと思う.日本国民の ”民度” が高いという意見をよく聞くが、今後その民度の高さを保持して、長期的に(独自に)発展していける国の舵取りは難題で楽観的には語れないと思った.読者の皆さまのご意見を伺いたい.本年も変わらずよろしくお願いします. 1/9/2023 コメント 飯田武昭 1/12/2023コメント Yuki T.

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