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空の検索で119件の結果が見つかりました。
- 2/14/2021 「オンライン・コンサート」ノース・キャロライナよりライブ・ストリーム
先日、ライブ・ストリームで供されるオンライン・コンサートなるものを初めて体験した。地元の室内楽団 (https://www.carolinaphil.org/) による「ライブ・タイム」の演奏で、曲目はモーツアルトのピアノ協奏曲第23番、K.488.演奏前の指揮者(兼ピアニスト)による曲の解説が個人的にはとても楽しめた.このように耳慣れた名曲でも、ガイド(もしくはモーツアルトの意図とも言えるだろうか)を念頭に置いて聴くとまた全然違う趣や奥行を曲の細部に感じることができる. 特に印象的だったのはモーツアルトが第二楽章に選んだ調、F# minorの話だった.指揮者によると数あるモーツアルトのレパートリーの中で、F# minorで書かれたのはこの一楽章だけだそう.モーツアルトという作曲家の曲から私はあまり人間の生々しく激しい感情を感じることはない.唯一例外として思い浮かぶのはヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、K.364の第二楽章だけれど、これはC minorで書かれており、これだけの哀しみを露呈するときにも選ばれなかった F# minorがここで一度使われたのは興味深いことだ.モーツアルトによって徹底的に避けられたというこのキーだが、単なる明暗や悲喜と呼べるもの以上の効果を曲全体にもたらしている。 それはさておき、協奏曲というと現在はオーケストラとソリストという華やかな編成が頭に浮かぶが、この晩の演奏は多分モーツアルトが意図した編成に限りなく近いものだったのではないかと思う.COVID‐19の影響で出演者の数が限られたためにそうなったのかもしれないが、コンサート・ホールではなく、多分当時の人々がサロンで聴いたようなこじんまりとした演奏で、それが逆に楽しめた.ミュージシャンにとっては、ソーシャル・ディスタンスを保ちながら互いの音のバランスを保って弾くのは難しいことだろう.散らばった分時差ができ、互いの音も聞こえにくいので、アンサンブルがうまく行かないという話も耳にする。またアンサンブルはお互いの表情や呼吸も演奏の重要な一部だけれど、マスクをしているとそれも十分に叶わない. 初めてのバーチャル演奏会、演奏が終わった時点で拍手が聞こえなかったときに、一番違和感を感じた.音というのは空気を媒介として伝わるので、その空気を共有していないオンライン・コンサートはライブと決定的に異なる.またライブ・コンサートでは音だけでなく五感で同時に色々なものを吸収している.けれども具体的にそれはどういう体験なのだろうか.バイオリストの友人によると、涙が出るような音を肌や耳で感じ取ると、それがずっと頭や体の中に記憶として残って、後になって再生することができるし、それがこれから先の一生の練習課題となっていくこともあるそうで、生演奏はやはり特別なもの、一緒の空間に身を置いて聞く、一緒に弾くと言うのは宝、とのことだった.聴き手もオンラインでは演奏を聴くという体験を取って代わることができないことをよく知っている.またすべてのライブ・コンサートがキャンセルされた状態が長引く現在、多くのミュージシャンの方々が試練の状況に置かれて続けている.多くのミュージシャンが普段から生活のため仕事を掛け持ちするケースも少なくないなか、そのような仕事(レストランやバー業界)の多くも大変な痛手を被った. このブログは去年の4月時点でのNCの音楽業界の一部の状況を描いたものだが(https://www.ncarts.org/comehearnc/365-days-music/covid-19-pandemic-brings-unprecedented-challenges-music-industry)、それからもう10か月以上が経ってしまった.この方たちは現在どうしているのだろう.一日も早く生演奏が楽しめる日が戻ることを切に願う.
- 1/23/2021 ベートーベン弦楽四重奏 op 18 no. 1 カルテットの楽しみ
OP18 no.1 ヘ長調は随分以前に (1980年後半)米国で初めて弦楽四重奏を弾きだした頃、ジョインした(おばさま方の)グループが弾いていた曲で、それにまつわる思い出も多い.この曲をJAMULUS(ジャムラス)というオープンソースのソフトウェアーを使い現在インターネット上でこちらの音楽仲間とバーチュアルに弾いている.チェリストと編集者のヴァイオリニストはカリフォルニア州シリコンバレーに在住、もう一人のヴァイオリニストとヴィオリストは米国南部、ノース キャロライナ州に在住.残念ながら初めて弦楽四重奏を弾きだした当時に比べて決してよりうまく弾けるようになっている訳ではないけれど弦楽四重奏はアマチュア演奏家にとって最高のエンターテインメントであると思う.世界各国に違うレベルのアマチュア弦楽四重奏のグループが多数存在するのもそれが理由だと思う.よってレーパートリーが広ければ、世界のどこの国を訪問してもそれ相応のレベルのアマチュア演奏家、グループに連絡すれば弾けるというのも楽しい. ベートーベンの弦楽四重奏曲全16曲は初期 (1794-1800頃)、中期 (1800-1815頃)、後期 (1816-1827頃) に夫々集中されて作曲されており、OP18 no.1 は1798年から1800年にかけて作曲され、1801年に出版された.16曲のうち、1-6曲はベートーベンが27-30歳頃、7-11曲は35-40歳頃、12-16曲はベートーベンの人生の最後の3年間で作曲された.コンサートやレコーディングでは、それぞれのピリオドによって独特の個性を表している初期、中期、後期の四重奏と便利上呼ばれるようになった.OP18 no.1 はno.1にはなっているが、ベートーベンが作曲した最初の弦楽四重奏曲ではなく、OP18 no.3ニ長調が最初の作品である.ベートーベンは出版の際、盟友のウィーンのヴァイオリニスと、シュパンツィッヒの勧めによりこのヘ長調を第1番に持ってきたといわれている.OP18 はフランツ・ヨーゼフ・フォン・ロプコヴィツ伯(1772-1816)に献呈され、初演も1800年頃と言われている. 初期の弦楽四重奏曲はまだハイドンが確立した形式に従ったものではあるが、ベートーベンが本格的に音楽家としての個性を確立し始めた時期の作品である.1800年にはベートーベンの最初の交響曲第1番ハ長調も作曲されている. 多くの弦楽四重奏団が演奏しレコーディングも多数ある中で編集者が選んだグループはブダペスト弦楽四重奏団が1952年にレコーディングしたもの.ウィキペディア Wikipediaの掲載によるとブタペスト弦楽四重奏団は「1917年にブダペスト歌劇場管弦楽団のメンバーによって結成され、メンバーの変遷を遂げながら1967年2月まで活動した.1938年からアメリカに定着して活動し、最終的なメンバーは全員ロシア人となり、ハンガリーおよびブダペストとは関係が無くなったが、名声を得たのはロシア人のヨーゼフ・ロイスマンが第1ヴァイオリンとなって以後である.19世紀からのロマン主義的な歌い回しを避け、活動当初は完膚なきまでの新即物主義的な解釈を行ったこと、第1ヴァイオリンの圧倒的優位を避け、各声部の平等主義を取ったことなどから、現代の弦楽四重奏演奏のスタイルに大きな影響を与えた.」 下記のレコーディングで聞けるようにブダペスト弦楽四重奏団はその純粋な音色が著明とされている. Budapest String Quartet (レコーディング1952年) https://www.youtube.com/watch?v=2SJq_MfN3lE&pbjreload=101
- 2/14/2021 映画レビュー "The Dig"「発掘」
主演:キャリー・マリガン、レイフ・ファインズ、リリー・ジェームズ PG-13 この映画は、第二次世界大戦の直前にイギリスのサフォークで1939年に起こった実話に基づいている.マリガンとファインズのパフォーマンスは、美しいシネマトグラフィーと同様に賞に値すると思う. 物語は若い未亡人、エディス・プリティーが、彼女が所有する広大な土地に古代の古墳があると信じて、バジル・ブラウンという独学の考古学者を雇い塚を掘り下げるという巨大なプロジェクトを舞台に展開される.レイフ・ファインズが演じるブラウンは、プリティの従業員数人の助けを借りて、田舎の土地からゆっくりとマウンド(塚)を掘り起こしていく. プロジェクトの数ヶ月の間に、関係するすべての人々の人間関係の発展がこの映画を非常に刺激的な物語にしている. 映画の歴史的な正確さについて議論する人もいるが「The Dig」は、使命に専念した人々と、彼らが仕事に取り組む際に個人的および専門的に直面した障害について語った魅力的な映画であると思う. https://www.youtube.com/watch?v=a_POvnICuj4
- 2/11/2021 2月の夜長にリストのコンソレーション(Consolations by Franz Liszt)
https://www.youtube.com/watch?v=GGDJZgQPK8E Barton-Hill選曲のリスト作曲の「コンソレーション」. 日本語では「慰め」と訳されているが、一般的には英語で「コンソレーション」あるいは原題のフランス語で ”Consolations, Six Penseés poétiques"「慰め、6つの詩的思考」と呼ばれている. ホロヴィッツがよくアンコールに弾いたのはその中の第3番変ニ長調で、彼の得意とするロマン派の作品のひとつでもある. トータル6曲あるコンソレーションのうち大変によく弾かれるのがこの第3番変ニ長調. https://www.youtube.com/watch?v=bykV906nKMk https://www.youtube.com/watch?v=705LabZ1U88 https://www.youtube.com/watch?v=aqPi2esJgZA 編集者が好むピアニストのなかで、ルービンシュタイン(ショパンを含むロマン派の演奏では大変に優れたピアニストとみなされている)、バレンボイム(指揮者、ピアニストとして知られている)、またアリシア・デ・ラローチャ(スペインのピアニストで、20世紀を代表するピアニストの一人)が弾く第3番変ニ長調と聴き比べてみると面白い. Consolations, Six Penseés poétiques「慰め、6つの詩的思考」は全6曲あり、 第1番ホ長調、Andante con moto、物静かなコラール風の小品 第2番ホ長調、Un poco più mosso、伸びやかな上昇音型と自由な曲想が特徴 第3番変ニ長調、Lento placido、全曲中最も有名な曲 第4番変ニ長調、Quasi Adagio、第1番と同様にコラール風の小品 第5番ホ長調、Andantino、低音の付点リズムが印象的 第6番ホ長調、Allegretto sempre cantabile その全曲もレコーディングされている. https://www.youtube.com/watch?v=kyZa7KKLBCo コンソレーションはフランツ・リストによる最も有名なピアノ作品の一つで、その人気の理由は、表現力が豊かで叙情的な曲想だけではなく、恐らく、アマチュアのピアニストでも弾ける(よって最高度のピアノの技術が要求されない)ことにも起因していると言われる. コンサートのアンコールとして、またコンクールの課題曲としてもよく使われる曲である. 恐らくリストはシャルル・オーギュスタン・サン・ブーヴ(Charles Augustin Sainte-Beuve)の詩集に触発されたであると言われ、短い作品の中で最も人気のあるこれらの作品は、個別に、または、さまざまな組み合わせで比較的頻繁に演奏されている.
- 2/5/2021 愛犬イゴールと早朝の散歩
今日は空気が冷たく、さわやかな、美しい朝. シェパード犬のイゴールを犬小屋から出して少し遊んだ後、私とイゴールは納屋に行って次の大会に向けてトレーニングをするという日課を今始めようとしている. 角を曲がって池を見下ろすと、いつもと池の様子が違っていた.水面はガラスのように静かで、水鳥は水面にまだ動きのある小さな一角に群がっている.池が凍り始めるのを見たのはこの冬初めて.夫はガチョウが水面を歩いていたのを見たと言っていた.いつものルーティンを急遽変え、私の忠実なコンパニオンの愛犬 イゴールと一緒に池に向かって歩き出した.朝日が昇る中、イゴールと一緒に私はこのとても穏やかな美しい瞬間を捉えることができた. パンデミックが始まってから11か月、そしてカリフォルニアを離れてノースカロライナに移ってから早6か月が経過した.正直言って、どちらの始まりも未知への恐怖に満ちていたが、今、ノースカロライナで、はるかに穏やかでゆっくりとした生活が始まったのを自覚している.自然が提供する恵みを楽しみ、この静かな生活の中で、忙しさにまみれて気を散らすこともなく、周囲の自然の驚異を見逃さず楽める環境. 「私たちの周りの美しさを認識することを可能にするのは、私たちの内なる美しさです.問題は、あなたが唯無意 識に何を見ているかではなく、あなたがあなたの心を通して何を見ているかです.」ヘンリー デイビッド ソロー、「ウォールデン」より. https://en.wikipedia.org/wiki/Walden https://en.wikipedia.org/wiki/Walden#/media/File:Walden_Thoreau.jpg 2020年は、多くの人々の生活が大きく変化し、多くの人々が対立する厳しい年であり、将来への不安を助長した.しかし、私の家のドアのすぐ外では、鹿の群れが毎晩餌を求めて移動し、ガチョウは予定された朝のラウンドを行い、つがいのオオアオサギは池で毎日魚を漁り、周囲の森は季節のマントを緑から赤と金色に変える秋に移り、太陽の光を燦燦と受ける不毛の地へと変化する冬が到来し、そしてこれからすぐに春の新しい成長が訪れる.この自然の継続性には平和があり、パンデミックが原因で、このペースの遅い生活を得られたこと、そして人生に関して熟考する機会、時間を与えてくれたことに感謝している.
- 1/13/2021 「音楽と友と」ブロッグを始めるにあったって
昨年は年が明けてからまる一年(世界中がコロナ禍に翻弄された)一年でした.その一年は長くも感じ、また終わってみると、あまり何も達成できなかった大変に短い一年であったようにも感じます.また、色々考え、感じることが多かった一年でした. カリフォルニアは Stay-at-home(自宅待機)が昨年3月中旬より始まり、夏の数か月はほぼ通常に近い状況に戻りましたが、感謝祭の休暇が終わった直後、12月初旬より再度、レストラン、ヘアーサロン等、諸々のビジネスが閉鎖になりました.特に、個人経営のスモールビジネスの経営は火の車で、年末に入り寄付を求めてくるビジネス、団体が例年と比べ急増したように思います.また、失業による社会的不安が増す傍ら、文化的なパーフォーマンスがほとんど中止になった結果、演奏家、役者、芸術家一般の生活も脅かされている状況です. そのような状況下、個人的には(すでに退職して10年たった現在、昨年古稀、幸いにも自由な生活を確保できる環境下で)新しい体験として、JAMULUS(ジャムラス)というオープンソースのソフトウェアーを使いインターネット上で弦楽アンサンブルを始めました.距離的に今までご一緒できなかったプレーヤーと再会し、友好を温め、音楽を語り、アンサンブルができるようになったのはこの機を利用きる不幸中の幸いとでもいうのでしょうか. また数年前に購入してそのままになっていた、著書「Year of Wonder, Classical Music to Enjoy Day by Day」をもう一度手に取ってみました.そしてある時間に任せ、著者 Clemency Burton-Hill が一日一曲選曲した曲を昨年末から聞き始めたのもこの機を利用しての試みです.多数のコンサートホール、劇場、美術館が閉鎖されて、再開されるめどもない現在、YouTube および CDで聞く音楽はその日のエンターテインメント、心の洗濯にもなります.一般的に聞きたい曲をランダムに聞いていた私にとって、選曲された音楽を聴くのも学校に戻ったようで楽しい経験です.著者によって選曲された曲をご紹介するのもこのブロッグの目的のひとつでもあります. 音楽の話に限らず、芸術一般、感じたこと、考えたことなど、ブロッグを通して随想を公開いただければ嬉しく思います.通常のブロッグの形式とは異なり投稿していただくことになりますすので、ブロッグ上での会話(チャット)は設けていません.またインターネット上のオープンな環境ですので個人情報、等、インターネット上公表すべきない情報は消去させていただきます. コロナ禍を無事に乗り切り、安全で多幸な丑年になりますようお祈り申し上げます.
- 1/14/2021 プッチーニ歌曲、トスカ、アリア 「星は光りぬ」
1月14日の選曲は1900年1月14日にローマで初演されたジャコモ プッチーニ作曲のオペラ、トスカ中のアリアでカヴァラドッシ(テノール)によって歌われる「星は光りぬ」E lucevan le stelle (And the stars were shining).ルチアノ パバロッティの十八番でもあるこのアリアは聞く前に涙が出てくるという(特に女性の)オペラファンもいる. https://www.youtube.com/watch?v=TU5roitYI1s Burton-Hillの解説よると「オペラは、誇張されたストーリーとハイドラマを要求する.1900年の1月14日にローマで初演されたプッチーニのトスカも例外ではない.焼けるような感情(そして素晴らしい音楽)が舞台を豊満し、このアリアが歌われる第3幕で、歌手のフロリア・トスカに恋をし、複雑な陰謀(欲望、裏切り、通常のオペラの成り行き)に巻き込まれた画家のマリオ・カバラドッシが死刑を待ってるときに歌われるアリアだ.彼は処刑までにあと1時間あるとたった今言われたところだ.」 Svani per sempre il sogno mio d'amore (My dream of love has vanished for ever) 私の愛の夢は永遠に消え失せた L'ora e fuggita, e muoio disperqto! (That moment has vanished, and I die in despair!) 時は去り そして私は絶望して死ぬ! E muoio disperato! (And I die in despair!) 絶望して死ぬ! E non ho amato mai tanto la vita, tanto la vita! (And never before have I loved life so much, loved life so much!) 私はいままでにこれほど命を恋しく思ったことがない! 日本の伝統芸術である歌舞伎とオペラには共通点が多々ある.これに関しては色々書かれているが、簡単に言うと、どちらも西暦1600年前後に民衆芸能として誕生し、その後、洗練され発展し、今日の舞台芸術・演劇(芸能)として完成に近い形として残ったということだ.両者とも「歌と台詞の中間」のような役者の語り歌で始まり、現在の凝った衣装、舞台装置、効果音を使うようになった.残念ながら大きな違いは、オペラは400年をかけて世界中に広まったが、歌舞伎は日本独特の古典芸術として日本の役者のみにより演じられていることだ.現在見られる面白い共通点は、時代物だけではなく、両者とも現代オペラ、現代歌舞伎の制作、プロモーション、上演に努力している.
- 1/17/2021 Albinoni オーボエ協奏曲 op 9 no. 2 Adagio
吹奏楽器の中で最も難しいとされているオーボエは「オーケストラの中で特権的な位置を占めており、演奏が始まる前に、プリンシパル オーボエ奏者は完璧な ”A”(ラ音)を出し、他のミュージシャンが夫々の楽器をチューニングするために使われる音である.純粋さと感情的な魅惑的な組み合わせを持ったオーボエの甘い音は他の吹奏楽器と比べられるものはない… 18世紀初頭イタリアの作曲家であるトマゾ アルビノーニはオーボエのソロ楽器としての可能性を最初に認識した作曲家のひとりであり、このオーボエ協奏曲 op 9 no. 2は、現存するソロ オーボエの曲として初めて作曲された協奏曲である.バッハを含む多くの当時の作曲家から賞賛され、バッハ自身も多数のオーボエを使った曲を残してい る.」(Clemency Burton-Hill) https://www.youtube.com/watch?v=dLxJLrjvl8A 最近のオーボエが活躍する曲では、John Williams 作曲の映画のテーマ「シンドラーのリスト」がある. Burton-Hill の解説にあるように「純粋さと感情的な魅惑的な組み合わせ」を持ったオーボエ(そしてバイオリン)の音の組み合わせはこの曲にはぴったりかもしれない.YouTube(下記)の演奏は、オーボエ奏者 Davida Scheffers(左写真、ダビダ シェファーズ)が、大変な痛みを伴う神経性筋痛症を乗り越えてプロに復帰した際の演奏とされている.観客の中の若い女性はオーボエ奏者のお嬢さんで、その日に18歳を迎えられたそうだ.オーボエ奏者が演奏後泣いておられる背景である. https://www.youtube.com/watch?v=YqVRcFQagtI
- 2/6/2021 映画レビュー "One Night in Miami" 「あの夜、マイアミで」
主演 キングスリー・ベン・アディール、エリー・ゴア、アルディス・ホッジ、レスリー・オドム ・ジュニア Rated R この映画は、1964年2月、若いカシウス・クレイが最初のヘビー級ボクシング選手権で優勝した夜に設定されている.この勝利は誰にとっても驚きであり、誰も勝利のお祝いのパーティーを企画していなかったので、マイアミのアフリカ系アメリカ人セクションにある小さなモテルで仮設パーティーが開催された.間もなくモハメッド・アリとして知られるクレイは、彼の実在の友人3人をパーティーに招待した.社会活動家で牧師のマルコムX、伝説的な歌手であるサム・クック、そしてフットボールのヒーローであるジム・ブラウン. このイベントとお祝いのパーティーは実際に起こった事実だが、果たして登場する四人の主演者達が話したことが事実かは不明だ.しかし、この映画は、これらの著明な四人がその時点で話しえたことと、それらがお互いの人生にどのように影響しあったかの可能性が、魅力的なストーリーだと思う. カシウス・クレイが物語の中心ではあるが、これはボクシングの映画ではない.この映画は友情と、友人がどれだけお互いの人生に影響を与えることができるかを語った映画である.それぞれ四人のキャリアが、この四人を結びつけるかのように巧妙 に描かれている.例えば、マルコムXは1965年に殺害されるが、それを予測するような不気味な描写もある.個人的には、サム・クックを演じるレスリー・オドム・ジュニアが好きだ.彼はクックの有名な曲のいくつか、特に「変化がやってくる “A Change is Going to Come”」を見事に歌っている.大変に感動的な映画だと思う. https://www.youtube.com/watch?v=K8vf_Cmh9nY https://www.youtube.com/watch?v=fPr3yvkHYsE
- 1/28/2021 映画レビュー "News of the World" 「世界のニュース」
主演 トム・ハンクス、ヘレナ・ゼンゲル PG-13 昔ながらの西部劇を随分長い間見なかった.この映画 「News of the World」は、馬に乗って追いかけ合い、銃で打ち合う伝統的な西部劇(Western)とは違い、実際、かなり進行が遅い映画だが、主演のトム・ハンクスとヘレナ・ゼンゲルの掛け合い、人間関係が面白く、見る価値はあると思う. 1870年頃のテキサス平原に舞台を置き、主人公のハンクスが、News of the World (世界のニュース)を住民に読んで聞かせる旅アンカーマン (traveling news reader) のカイル・キッドを演じている.1870年当時は読み書きができない人が多く、新聞もどこにでもあるわけではなく、町から町へと移動して、遠隔地に住む人々にニュースを読んで聞かせる職業があった.その旅アンカーマンのカイル・キッドがある旅の途中、4歳のときにキオワ族(アメリカインディアンの一族)に連れて行かれ育てられた、今は10歳になる少女ヨハンナに出会う.ヨハンナは(彼女の意思に反して)当局によって、彼女の叔母と叔父のもとに連れ戻されることになり、ハンクスは子供を連れて行くことに同意した.そしてカイル・キッドとヨハンナは何百マイル、荒野を旅する. この映画はこの時代を決して美化して演出、撮影されている映画ではない.西部は汚くて生活するには過酷な場所であり、多くの住民のほとんどは教育を受けていなかった.ハンクスとゼンゲルは主演として共に非常に優れたパフォーマンスを見せてくれる.ゼンゲルの特に脆弱な子供の役割には感動させられる.またゼンゲルは、今ではほとんど死語になっているキオワ語を学ばなければならなかった.ゼンゲルにキオワ語を教えたキオワの女性は「これまでに教えたどのネイティブのキオワに比べてヘレナ・ゼンゲルはより早くキオワ語を学んだ」と回想している. News of the Worldはこのふたりの主人公の信頼と友情の物語であり、私が今まで見た映画の中で最高の映画ではないかもしれないけれど、間違いなく見る価値はあり、楽しめる映画だと思う. COVID-19のせいで、2020年12月に公開されたこの映画はあまり多くの映画館に配布されていない.私はNetflixで見たが、Netflixで自宅で見るのが一番だと思う. https://www.youtube.com/watch?v=OMHcvYQH0Ls
- 1/16/2021 Scriabin エチュード op 2 no. 1
本日のBurton-Hill の選曲 は、Scriabinのエチュード op 2 no. 1.著者曰く、 "Look, sometimes what we must really need in the middle of January is music, that feels like a large glass of red wine." 「ほら、1月中旬に本当に必要なのは、大きなグラスに注がれた赤ワインのように感じる音楽です.」 ホロヴィッツに代表される多数のピアニストに弾かれ続けられている2-3分のエチュードである. https://www.youtube.com/watch?v=327D03P5Xxc この練習曲は、スクリャービンがわずか16歳だった1887年に作曲されていて、メロディーはロシアのジプシー音楽の多くの特徴を示し、両手で繰り返される和音を伴い、豊かなハーモニー、内なる声、そして左手での音楽の広がりを特徴としている(ウィキペディア参照).確かに寒い冬の晩に欲しい「大きなグラスに注がれた赤ワインのように感じる音楽」かもしれない.
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