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  • 執筆者の写真Emi Igarashi / Editor

1/4/2023 第8波コロナ禍の中での帰国 ― 雑考

丸3年ぶりの帰国.シリコンバレーにおける感謝祭、クリスマス休暇前後の雑踏、交通渋滞、殺気立った人の気配を避け、第8波コロナ禍の中、心配ではあったけれど思い切って帰国した.月一でヘルパーさんに通空通水はお願いしていてもやはり3年間住人のいないマンションに起こる予測できない水回りに関する事故の心配もあり、このタイミングでの帰国は結果的には正解だった.給湯器もこの折に新しいものに変えた.この品薄の時期に東京ガスのサービスには脱帽.また今回は日本アマゾンの宅配サービスも大変に重宝だった.

Zoom等の便利なコミュニケーション・ツールは多々あれど、face-to-faceのコミュニケーションは段違いに効果的である.ましてやアンサンブルを弾くとなるとその効果は拡大.今回の帰国は母の13回忌が本来の目的ではあっても、アンサンブルの練習、友人、従妹、家族との観劇、歓談、会食と忙しくも楽しい6週間であった.但し、今回特に感じたことは3年間米国内にとどまり遠距離の旅行を控えていたこともあってか体力の落ちには驚愕した.コロナ禍以前は時差にしても、長旅の疲れにしてももっと早く調整ができたのに今回はいつまでたっても時差ボケ、旅の疲れが残っていた.3歳としをとったことにも起因しているとしても体力維持は2023年の課題だと思っている.


今回、大変に嬉しかったのはアンサンブルの仲間が増えたことである.(東京都)中央線近辺の住人からなるAPAのメンバーが主だが、新しくチェリスト(経験豊かで非常にお上手なプレーヤー)とフルーティストと練習する機会を持て、2023年4月の国際音楽祭において新しいプレーヤーとアンサンブルができることが今から楽しみだ.


米国においては2022年2月のコンサートで一緒に弾いたNormが腱鞘炎で続けることが無理となり非常に落胆していたところ、幸いにも米国のAPAのメンバーのピアニスト(若いピアニスト、Andrew)とこの1月半ばからメンデルスゾーンのピアノ・トリオ(OP49)の練習を始められることになった.


滞在中見聞した日本の現況は恐らく世界のそれと良く似たものだと思う.まず、防衛防衛費拡大増額、原発再稼働、物価高、不況、失業率の増加、貧困層の拡大、統一教会問題、等々の問題が山ずみの中で国民の政治・政治家不信は顕著である.少子老齢化、コロナ禍で顕著となった教育問題、なども全く方向性が決まらない中、ある意味で国民の怒りと諦め、或いは方向性が見えないための混乱もあるようで世相はあまりよくない.日本経済の見通しもつかない中、メディアではアンチ・エスタブリッシュメントとしてなんといった方向性も示さず単に屁理屈を述べる評論家が多いように見受けられた.


戦後78年が過ぎ、現在日本は政治、経済、社会、またそれに伴う基本的な価値観の変換の過渡期にいる.様々な問題を抱えている社会ではあるが(最近やや変わってきたとはいえ)日本は安全で、清潔で、食事が美味しく、知的レベルも高く、マナーの良い ”パラダイス” だと思う.日本国民の ”民度” が高いという意見をよく聞くが、今後その民度の高さを保持して、長期的に(独自に)発展していける国の舵取りは難題で楽観的には語れないと思った.読者の皆さまのご意見を伺いたい.本年も変わらずよろしくお願いします.


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