10/1/2026 音楽家と作品への雑感 「ショパン」

第19章 フレデリック・ショパン(Frederic Chopin)
(1810年~1849年・39歳没)

ショパンの父はロレーヌ出身のフランス人、母はポーランド人.父はポーランドに移住し第2の祖国としたが、その頃ポーランドはプロイセン、オーストリア、ロシアによって分割されていた.ショパンはワルシャワ音楽院で J. エルスネルに学び、ピアニスト・作曲家として成功.1830年にはウィーンへ演奏旅行に出たが、その直後にワルシャワで独立運動が起こったため帰国せずパリに渡り、以後は主にフランスで活躍した.
ロマン派音楽におけるサロン風ピアノ作品に新しい境地を開き、「ピアノの詩人」と呼ばれる.女流作家ジョルジュ・サンドとの交際はよく知られている.2曲の協奏曲を含む管弦楽付きピアノ曲や数曲の室内楽作品の多くはポーランド時代のもので、パリに移ってからは圧倒的にピアノ独奏曲が多く、傑作もその中に含まれる.他に、生涯を通じて書かれた歌曲も残されている.
今回、視聴した演奏から得たショパン音楽の印象を短くまとめると以下の通りである.
まず、手持ちのレコード・CD・ビデオ録画を通して聴いたが、コンサートで演奏される機会が多い曲目は(順不同)バラード第1番、舟歌、前奏曲「雨だれ」、ポロネーズ第6番「英雄」、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、ピアノ協奏曲第1番であることが分かった.ショパンと言えば「英雄ポロネーズ」という印象もあるが、実際に多くの演奏家が取り上げる曲は上記のように思われた.
ピアノ・ソナタ第2番 作品35 猛暑の夏から初秋にかけて、久しぶりに室内でゆったりと聴くショパンは詩的で心が落ち着いた.第3楽章は有名な「葬送行進曲」.
バラード第1番 作品23、第4番 作品52 ホロヴィッツが1968年にカーネギーホールで演奏した録音が心に沁みた.
スケルツォ第1~4番 エフゲニー・キーシン、角野隼斗、牛牛(にゅうにゅう)などの華麗な演奏を楽しんだ.
即興曲第1~3番、幻想即興曲 作品66 スタニスラフ・ブーニン全盛期の「幻想即興曲」が印象深かった.
ノクターン(7曲) 第20番(遺作)は多くの演奏家が好んで弾く名曲.ホロヴィッツ、中村紘子、仲道郁代、ユンディ・リの演奏が良かった.

マズルカ 約60曲あるマズルカのうち数曲を、ホロヴィッツ、ミケランジェリ、アルゲリッチ、ポリーニ、反田恭平などで楽しんだ.

前奏曲 24の前奏曲を続けて聴いたのは、ワルシャワで記念に頂いた Halina Czerny-Stefańska の演奏と小林愛実(2021).いずれも大変良かった.特に前者は録音も比較的良く残っている思い出のレコードである.
練習曲 作品10・作品25・3つの新しい練習曲 ワルシャワで記念に頂いた Boleslaw Woytowicz の演奏が気に入った.
ポロネーズ第3番「軍隊」、第5番、第6番「英雄」、第7番「幻想」 第6番「英雄」は10人のピアニストの演奏を聴いたことになるが、アルゲリッチ、ホロヴィッツ、ルビンシュタイン、反田恭平の演奏が特に心に残った.
ワルツ第1~13番、17番 ワルシャワで記念に頂いた Regina Smendzianka の演奏が軽快で好ましかった.
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22 華麗で壮大な曲で、アルゲリッチ、キーシン、反田恭平の演奏はいずれも余裕を感じさせる名演.
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 ポリーニ、ブーニン、反田恭平、小林愛実の演奏が、華やかさと静けさの程よい調和を醸し出していた.

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