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  • 執筆者の写真Makiko Border

4/10/2021 アメリカ・アニメーションのゴールデン・エイジ、Looney Tunes


1930年代後半から60年代頃までの黄金時代に制作されたLooney Tunesの作品をご覧になられたり、そうでなくともキャラクターに見覚えのある方は多いと思う. Looney Tunesのキャラクターや作品制作に関わった初期のチームメンバーは大変に冴えた、またエキセントリックとも言えるアイディアの持ち主の集まりで、中心人物であったディレクターのチャック・ジョーンズは芸術・音楽に精通していた. そのため、Looney Tunesの作品にはクラッシック音楽を扱った楽しい作品が数多くある. その中から3点ほど、抜粋場面をご紹介したい.


Looney Tunesの代表作としておそらく一番有名なのは、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」を題材にした「What’s Opera Doc? (1957年)」ではないだろうか.


私もこのメロディーが耳に入ってくると、決まってBugs Bunnyが頭に浮かんでしまう.


添付の映像は途中で切れているが、この後に続くBugs Bunnyのコンテンポラリー・バレエの動きも本当のバレリーナを見ているようで楽しい.



「Rabbit of Seville (1950年)」も有名で、こちらは言わずと知れたロッシーニの「セビリアの理髪師」が題材であり、特にこの軽快な音楽に乗ってBugs Bunnyが宿敵Elmer Fudd のつるつる頭をマッサージする様子はとてもコミカルだ. 最後は何故か二人があれよあれよという間に結婚して、モーツアルトの「フィガロの結婚」で終わるのも楽しい.


https://www.youtube.com/watch?v=od4vxA-6DEs(頭マッサージのシーン)


パフォーマンスを見ていて一番楽しいと思うのは「Rhapsody Rabbit(1946年)」で、曲はリストのピアノ独奏曲「ハンガリー狂詩曲」. リスト自身がスーパースター・ピアニストでもあったので、彼のレパートリーは難曲が多いことで知られている.この最後のシーンの功名さ、愛らしさには毎回感心してしまう.


こちらにご紹介したのはほんの一部だけれど、いずれの作品も楽曲のムードとキャラクターの動きが実にうまくマッチしていて素晴らしい.


Looney Tunesの漫画のユニークな点は、これらの作品が必ずしも子供をオーディエンスとして作られたものではなかったということで、なるほど、大人の私も大好きだ. また特筆したいのは声優のメル・ブランクの素晴らしさで、彼は(確か)Elmer Fuddを除く全てのキャラクターの声を作り上げ、一人で演じ分けていた. オペラシーンやTweety の歌からなども分かるように、ブランクは歌も達者だった. しかもただ歌うのではなく、それぞれのキャラクターの声で歌うというのは並大抵の技ではないだろう.


最後に、チャック・ジョーンズがキャラクターやストーリーを発展させる際念頭においていた基本的な理念を分かりやすく説明しているビデオがあったのでご紹介する. 彼が音楽・芸術に精通していたことからも分かるように、ジョーンズは「読書」を通じて知らないことを発見することの重要さを強調している.



Looney Tunes、ご興味があったらぜひご鑑賞ください. クラッシック音楽だけでなく、ジャズを扱ったものにも三匹の子ブタなどを始めとして素晴らしい作品がたくさんあります.







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