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5/9/2025 音楽家と作品への雑感 「モーツアルト」

  • 執筆者の写真: Takeaki Iida
    Takeaki Iida
  • 12 分前
  • 読了時間: 3分

第16章 V. アマデウス・モーツアルト (No.2)

(Volfgang Amadeus Mozart)    (1756年~1791年35歳没)

                 

歌劇編:


1.      「フィガロの結婚」:カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団及び合唱団、エーバーハルト・ヴェヒター(Br)、エリザベート・シュワルツコップ(Sop)、ジュゼッペ・タディ(Br)、アンナ・モッフォ(Sop)、フィオレンツア・コソット(M. Sop)のレコード盤が出色の演奏並びに録音状態.


2.      「後宮よりの逃走(誘拐)」:ドリアン・マルターラー演出によるザルツブルグ空港をステージにした斬新な構想.衣装・照明など新工夫が、初めて観る真機軸のステージに眼を注ぐ物ではあるが演奏会としては如何なものか.


3.      「偽の女庭師」:オペラ・ブッフォの雰囲気が楽しめる衣装・舞台演出のミラノ・スカラ座公演(2018年)をビデオ鑑賞した.正統的な演出・歌唱・演技で大変に満足だった.


4.      「ドン・ジョヴァンニ」:プラハでの「フィガロの結婚」の上演で大成.を収めたモーツアルトは、新作の依頼の題材に中世のドン・ファン伝説を選び、その台本を「フィガロ」と同じダ・ポンテに依頼し、短期間で作曲を完成させた.今回聴き直した演奏の中では①フルト・ヴェングラー指揮、ウイーン国立歌劇場(1954年)の舞台装置・衣装も含め歌手(グリュンマー、シュヴァルツコップ、シエピ)、②ジェリーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団(1959年)の演奏・歌唱(シュヴァルツコップ、ジョン・サザーランド、タディ)が群を抜いて素晴らしい.


劇中のアリアでは②のシュヴァルツコップが歌うドンナ・エルヴィーラの“レスタティーヴォとアリア”(第21曲C)は、追い込んで行くような感情と旋律の美しさで特段に好きなパートであるが、解説によると、この曲のパートは作曲後に、歌手の希望によって追加された部分とのことで、特別の曲名が付いていないようで不思議に思う.

5.      「コシ・ファン・トウッテ」:カール・ベーム指揮のエリザベート・シュワルツコップ、クリスタ・ルードヴィッヒ等の評論家の押すベストの演奏を改めて聴いたが、このオペラはあまり馴染みの無いアリアよりも重唱(二重唱、三重唱、多重唱)の聴き心地良い和声を楽しむオペラだと改めて思った.その意味ではモーツアルトの有名なオペラの中でも演奏が最も難しい玄人向きのオペラだと思う.


6.      「魔笛」:ピリオット的な演出・演奏を試みたと思われる2公演(ミラノ・スカラ座2011、グランドボーン音楽祭2019)と、オーソドックスな演出・演奏の1公演(ザルツブルグ音楽祭2006のリカルド・ムーティ指揮)をビデオ録画で見直した.この中ではムーティ指揮の公演が本格的な取り組みを感じさせ堪能した.一方、カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏のレコード盤(1964年収録)はタミーノ役のフリッツ・ヴェンダーリッヒ(Fritz Wunderlich)を始め、夜の女王役のロバータ・ピータース(Roberta Peters)、パパゲーノ役のディートリッヒ・フィッシャー-ディスカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)などの名歌手が歌うアリアや重唱が大いに楽しめた. 











今回の雑感記録に際して、改めて聴き直した作曲家の作品リストを参考までに下記の表にした.


                                 

                                                                                                      

 

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