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2/15/2021 「バッハ・ダブル」ニ短調、BDV 1043

  • 執筆者の写真: Emi Igarashi / Editor
    Emi Igarashi / Editor
  • 2021年2月15日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年2月24日

「バッハ・ダブル」協奏曲は、「2人のソリストがメロディックなアイデアを行き交わす純粋な音楽的対話である」とBurton-Hillは語る.恐らく、ヴァイオリンを学習するほとんど全ての学生がかなり若い年齢で第一、第二ヴァイオリンの両方のパートを演奏(または学習)する作品といっても言い過ぎではないであろう.「バッハは、他の作曲家がほとんど近づけないくらいの技術的奏法を使って、人の心を音楽によって表現できる」とBurton-Hillはの作曲技法を結論付ける.


バッハの伝記(1873年)の中で、フィリップ・シュピッタは「バッハ・ダブル」につて次のように記している.


"Dem D moll-Concert ist unstreitig der höchste Werth eigen und in dieser Eigenschaft findet es auch unter der heutigen musikalischen Welt schon eine erfreuliche Beachtung. Zwei Soloviolinen sind hier herangezogen, doch kann man nicht wohl von einem Doppelconcerte reden, da die beiden Geigen weniger unter sich, als vereinigt gegen den Instrumentalchor concertiren. Eine jede ist natürlich mit der Selbständigkeit behandelt, die bei dem Bachschen Stile ohne weiteres vorausgesetzt wird. Im Mittelsatze, einer wahren Perle an edlem, innigem Gesange, verhält sich das Orchester fast nur accompagnirend, wie es bei den Concertadagios ja das Gewöhnliche war.” (Philipp Spitta)


「ニ短調協奏曲は間違いなく最高の二重奏であり、現代の音楽界から高く評価されている.厳密に言えば、ふたりのソロ・ヴァイオリンにより演奏されるので、二重協奏曲ではない.言い換えると、二本のヴァイオリンがパート別にお互いに演奏しあうというより、それぞれのパートが、バッハ独特のスタイルで独立性のあるパートとして作曲された曲を、ふたりの演奏者がソリストとして演奏する曲である.高貴で表現力豊か、メロディーの真珠と言われている、ミドル・ムーブメント(第二楽章)では、オーケストラは協奏曲のアダージョで通常演奏されるように伴奏役に回っている.」(翻訳ベル/フラーメイトランド)

多くのパフォーマーによるレコーディングの中から、1974年にモスクワ室内管弦楽団と録音された、David Oistrakh(デイビッド・オイストラッフ、編集者が好むヴァイオリニストの一人)と彼の息子である、Igor Oistrakh(イゴール・オイストラッフ)による演奏を選んだ.(ドイツ・グラモフォンによるレコードのジャケットは1963年版)


追記: オイストラッフは1974年10月にアムステルダムで演奏旅行中に心筋梗塞で66歳の若さで客死している.レコーディングが1974年にモスクワでされたとすると同年だ.何か疲れているように見うけるのは考えすぎか.メニューヒンによるとオイストラッフは西では考えられないハードなスケジュールをこなしていたという.

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