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  • 執筆者の写真Kathy Price

Copy of 8/15/2023 フィルム・レビュー「バーベンハイマー」



2023年は『バーベンハイマーの夏』という人もいるかもしれない.まだご存じでない方のために、このブロッグに下記2本の映画が世界的なセンセーションを引き起こした現象に対する私の見解を投稿した.


7月に『バービー』と『オッペンハイマー』いう2本の高額予算を獲得して制作された映画が同時に劇場公開された.どちらも大ヒットしており、どちらもとても良い映画だと思う.まったく異なる2本の映画を観ようと米国全土でファンが劇場に詰めかけている.どちらもハリウッドが提供できる最高のタレントを駆使し、どちらも観客を感動させているが、その理由は全く異なる.


バービー


PG-13指定

出演: マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、ケイト・マッキノン、シム・リウ

ジャンル: コメディ、ファンタジー、アドベンチャー

監督: グレタ・ガーウィグ

脚本:グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック


グレタ・ガーウィグが実生活のパートナー、ノア・バームバックと共にこの映画の脚本を書いたときは、恐らく二人とも、アイコン人形を描いたこの映画がここまでの成功をもたらすとは想像できなかったと思う. 有名で賞賛されている作家だったため、彼らはこの映画に約1億4,500万ドルという高額の予算を獲得することができた. また信じられないことに、劇場公開からわずか 1 か月後、この映画はすでに 10 億 7,700 万ドルの興行収入を記録した. なぜ? そして、どうやって?


優れたキャストと十分な予算を備えたこの映画は、公開前に多くの誇大宣伝を引き起こした.確かにこれは初期の成功の一部によるものだと思が、それ以上の何かがこの映画にはあると思う.現在、我々は非常に深刻な世界に生きている.よって、今、人々はただ笑いが必要なのかもしれない.また、子供の頃を思いだすノスタルジックな、愛されている人形のようなものは確かに人の心をつかむ方法なのではないか.少なくとも映画の最初は、バービーはまさにそのノスタルジックな対象である.映画が進むにつれて、女性(そして男性)が過去と今日に直面してきた問題も思い出させせる.この映画は風刺と人間性の完璧なバランスが取れていると思う.バービーがバービーの世界から私たちが今住んでいるまさに現実の世界へ旅立つにつれて、たくさんの笑いがあり、また考えさせられる点もたくさん提供する映画だと思う.


予告編



オッペンハイマー


プロメテウスは神々から火を盗み、人間に与えた.そのために彼は岩に鎖でつながれ、永遠の拷問を受けた.」



R指定

出演: キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー

ジャンル: ドラマ, 伝記, 歴史

監督: クリストファー・ノーラン

脚本:クリストファー・ノーラン、カイ・バード、マーティン・シャーウィン



この映画はこの不気味なギリシャ神話からの引用で始まり、映画中オッペンハイマーの劇的な生涯を暗示している. この映画は、クリストファー・ノーランと映画の脚本を共同執筆したカイ・バードとマーティン・J・シャーウィンが書いた本『アメリカン・プロメテウス:J・ロバート・オッペンハイマーの勝利と悲劇』を基にしている.


この映画は、オッペンハイマーが成人してからの人生に焦点を当てており、その中にはニューメキシコ州ロスアラモス近くに建設された秘密兵器研究所の所長を務めたマンハッタン計画での役割も含まれている.そこで、何万人もの人々を即死させ、太平洋戦争を終結させた兵器の核反応をどのように利用するかを、オッペンハイマーを中心に他の多くの世界中から集められた時代の最も輝かしい科学者達が頭を悩ましていた.


この映画を観て驚いたのは、自分が「原爆の父」のことをこんなにも深く考えてしまったことだ. 正直に言うと、この映画を見るまで、私はオッペンハイマーという人物についてほとんど知らなかった. 私は彼が核兵器創造に貢献した恐怖だけを知っていた.この映画で非常に巧みに描写された彼の人生に対する個人的および外部からのプレッシャーを見て、今では私は彼について全く異なる理解を持っている.


『オッペンハイマー』は 3 時間という長い映画なので、そこで取り上げられたさまざまなトピックについて詳しく説明するのは困難であるが、私にとっては完璧な映画であった. オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーは特別な評価に値すると思う. 彼はタイトルロールで素晴らしく、オッペンハイマーに似ているだけでなく、その役を演じるのに必要な強さと人間性も備えている. 素晴らしいキャスト、リアルなセットや衣装、効果的なサウンドなど、映画全体がこれ以上ないほど素晴らしい出来であると思う.クリストファー・ノーランがほとんどの映画監督と異なる点の 1 つは、彼が特殊効果に依存していないことで、彼はカメラを通して彼の望むものを手に入れる. 彼の熟練した技術は各フレームに明らかであった.


バービーとオッペンハイマーの目覚ましい成功と、その主題がどれほど異なっているかを考えるとき、私は彼らを同一としているものの重要性に衝撃を受ける.我々は私たちの過去を思い出す必要があるということだ. 人生のすべてのことと同様、良いことも悪いことも覚えておくことが私たち人間を人間たらしめるのだと思う.


予告編

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